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公開日:2020.02.20

松姫 檜原村で舞台に
5月上演 「通った道」の縁

  • 左から森下さん、劇団代表の後藤さん、今回主演の美結さん、吉本さん

  • 信松院にある松姫の座像

 戦国時代の尼で、八王子に織物の技術を伝えたとされる歴史上の人物「松姫」(1561─1616)をテーマにした舞台が5月、西多摩郡檜原村で上演される。歴史演劇を手がける劇団歴史新大陸(杉並区)が企画した。松姫の墓がある信松院(しんしょういん)(台町)の西村和裕住職は「舞台になるのは初めてのことだと思います。楽しみにしています」と話した。





住職「初めて。楽しみ」





 同団はこれまで宮本武蔵、新撰組、古事記などをテーマとした舞台や映画を制作してきた。





 劇団主宰の後藤勝徳さんは昨年6月、次回の作品にむけて色々な地域の歴史を調べる中、知人の紹介で檜原村を訪れた。「歴史や風習が手付かずで残っている。神域のよう」とその自然や環境に関心をもち、その後、何度か村を訪問した。





 地元の人から話を聞く中で、後藤さんは武田信玄の息女である松姫が武田家の滅亡後に甲州から八王子へ落ち延びる際、「檜原村を通った」ことを知った。一方、村にあるもみじ山の山頂には昨年秋、「天空の舞台」という屋外ステージが完成した。そのステージを見た後藤さんは「ここで松姫の舞台ができたら」と考え、関係者に持ちかけ1月、上演が決まった。





3人育て尼に





 松姫は3人の女の子をつれ八王子へたどり着き、出家し尼となった。その献身的な姿勢は八王子市民に親しまれ続けている。3年前に他の劇で松姫を演じた、高校生の美結(みゆ)さん(入間市在住)が今回もその大役を担う。





 小学6年のときから演劇の世界に入った美結さんは、松姫について「とても芯がある女性だと思います。今のことだけでなく将来もしっかり考えていた。やさしさや慈愛を感じます」と話した。これまでも本を読むなどし知識を蓄えてきたそうだが、「イメージを掴めんでしっかり人物像を作りたい」と意気込む。脚本担当の作家小円(おまる)さんは「その生き抜いた姿を10代の子に演じてもらうことに意義がある。長ゼリフも多いです」と美結さんに期待する。





 西村さんによるとこれまで松姫をテーマとした個人的な朗読劇などは聞いたことがあったが、大人数による演劇化は「初めてでは」という。「新しい動きがでてきて嬉しい。発展性が楽しみ」と話した。





 なお松姫が檜原村を通ったかどうかについて、同地で研究をする吉本昂二さんは「6割の確率で通ったと言われています」とする。村の郷土資料館にはその証拠ともいえる「松姫の手鏡」が展示されている。





いずれ八王子でも





 3年前にCD「松姫物語」の作詞をし、今回の上演に携わる森下晴男さん(あきる野市在住)は「檜原村で成功させ、その後、ぜひ八王子でもやってほしい」と話した。舞台「檜原城に姫来る・武田の松姫物語」の上演は5月16日(土)と17日(日)、チケット発売は4月となる。


 

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