八王子市は８月28日、一般会計に63億８１３３万円を増額する２０２０年度９月補正予算案を発表した。主な内容は、新型コロナウイルス感染症対策関連と高尾山の日本遺産認定に関する事業など。

11月に商品券

　国の支援もあり、新型コロナ対策に多くがあてられた。

　コロナの影響による消費の落ち込みを回復するために、市民向けにプレミアム付商品券を発行する。利用期間は今年11月から来年の２月を予定。市内事業者のもとで使用できる１０００円分の商品券が５枚つづりで、１セット３５００円で販売される。これに８億４５００万円を計上する。

　他には、コロナの影響を受けて売り上げが減少した市内の中小事業者向けにテナント家賃緊急支援金の対象者を増やす施策を行う。今回は、新たに医療法人、ＮＰＯ法人、社会福祉法人、社団法人等の各種法人のほか、一部のフランチャイズ店舗も対象となる。補助上限額は30万円。ここに約13億２２００万円を計上する。

子育て支援も

　中小企業者への環境整備支援として、感染拡大対策を強化する事業者に対し、その経費最大50万円までを支援する（補助率は10分の９）。これに約２億６０００万円を計上する。

　その他、子育てについて、出産前後の家庭や多胎児家庭に対し、ヘルパーを派遣することで家事や育児を支援する。また、里帰り出産が困難な妊産婦に対し、育児支援サービスの利用補助を行う。

プロモ強化

　日本遺産認定に関連した補正予算は、合計約７７００万円を計上。日本遺産ストーリーの構成文化財である「八王子車人形および説経浄瑠璃」や「八王子芸妓」による記念演目の映像を制作する。

　その他、日本遺産の体験型観光のモニター参加者を募集する。また、日本遺産の副読本を作成し、市内外へのプロモーションを強化する。

　補正後の今年度予算額は約４８２９億７０００万円。予算案は市議会９月定例会に提出した。