女性落語家・真打として地域で落語を披露する 桂 右團治さん(本名:桑名恵子) 市内在住
直感信じ、道を開く
○…女性落語家の草分け的存在として知られ、真打として活動して20年。数年前から市内割烹料理店や喫茶店で寄席を行っている。コロナ禍で開催を見送っていた地域寄席を今月、10カ月ぶりに再開した。始まる前は感極まり動揺してしまう心配もあったというが、いざ高座に上がれば「いつも通りの雰囲気でタイムスリップしたような感覚」だったとか。「お客さんの元気な顔を見れて嬉しかった」と笑う。
○…八王子市内に移り住んだのは9年前。都心に住んでいたが、ふとした時に「八王子だ」と閃いたのだそう。市内在住者が集まる大学同窓会に参加したことが縁で市内で落語会を開くことに。見に来た人から今度は喫茶店での落語会を依頼された。実は喫茶店のマスターは、銀座で寄席をした時にお世話になった人物。「まさかここで再会できるとは。人との出会いに感謝ですね」とほほ笑む。
○…出身は兵庫県。大学進学とともに上京した。法学部へ進み、司法試験に向けて勉強していた頃、ラジオから流れてきた「昭和の名人特集」の落語に夢中になった。1人15分間、4人の名人が繰り出す噺に「直観的に」録音ボタンを押したという。「起承転結があり、笑いあり涙あり」、その人間ドラマにのめり込んだ。末廣亭、池袋演芸場などに通いつめ、10代目、桂文治師匠の門を叩いた。師匠から家に通うよう、電車の回数券を手渡されたときは「入門切符がもらえた」と感激したそう。
○…数年前から「英語落語」に取り組み、留学生など外国の人にも落語を披露する。「日本人も外国の人もだいたい笑うポイントは同じなんです」と、新しい発見に目を輝かせる。「落語を通して皆さんを幸せに」。それが目標と語る。
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