コロナ禍の中でスタートしたイベント「八王子マルシェ」の実行委員長の 佐藤 剛(たけし)さん 散田町在住 58歳
ガキ大将の社会奉仕
○…3月、八王子エルシィの駐車場にキッチンカーが集結した。コロナ対応も考えた屋外でのイベントには、想定を超える400人が来場した。「お店も、消費者もみんな笑顔になる。広い意味での社会奉仕だね」。自身の店も売上げは半減。それでも変化を恐れず商機を探る。
○…九州出身の両親の元に生まれ、10歳のときに川口町に引っ越してきた。その頃に剣道をはじめ、中学3年のときには日本代表としてハワイに親善試合に行ったほどの腕前。高校・大学の剣道部では寮生活。「返事は『はい』だけ」。日付が変わる頃に寝て、朝は4時に起きる生活だった。卒業後はビールメーカーに就職。当時はシェアが低く、劣勢を挽回するために「居酒屋で『アサヒビール置てないの?』と演(や)ったり。もちろん社員バッジは外してね」
○…「営業では全然売れなかった。でも、勤めた5年半の給料分のビールを売ればいい」と28歳で独立して飲食店経営をし、36歳で家業の焼き鳥工場に戻った。「朝4時に起きて工場で働いてさ。パートのおばちゃんたちに顔を覚えてもらおうと思って」。その頃、誘われて奉仕活動の団体に。「それまでは地域にも興味がなかった。でも、自分の店だけじゃなくて、地域全体が良くならないと人も集まらないよね」。会長職を務めたこともある。
○…周囲の人からは「(彼の元には)自然と人が集まる」と評判が立つ親分肌な性格。「でも、いたずらっぽいからガキ大将かも」という意見も。「もうすぐ60歳。引退の歳だよ。でも、こんな時代だからさ、何ができるのか、それを若い人に伝えたいね」。照れ隠しのぶっきらぼうな口調には、街の将来を背負う若手経育成という社会奉仕の熱意があった。
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