シスター(修道女)で絵画と詩による初の作品集を発表する 浦田 カズ代さん 滝山町在住 73歳
出会う人に安らぎを
○…「聖書物語」「母子像」などをモチーフとした、やさしい色合いの作風。修道院にある6畳ほどのアトリエで日々、描いてきた。今月、デパートの会場に新作などおよそ30点を展示する。一方、併せて初の作品集を刊行する。そこにはこれまでの作品およそ80点と書きためた詩が上質な印刷のもと、収められている。「人を感動させるにはまず自分が感動できるものでないと。拝みたくなるようなものはまだまだ描けません」
○…長崎県の出身。代々続くクリスチャンの一家に生まれた。中高は鹿児島にある純心学園の姉妹校へ進学。親元を離れた寮の生活は「寂しくて涙がポロポロ出ました」。卒業後、上京し滝山町にある東京純心女子短期大学に1期生として入学。シスターになるための修練期等を終えると愛知県立芸術大学に入学し油彩画などを学んだ。同短大、東京純心大学で教鞭をとり、10年前からの6年間は同大学の学長を務めた。
○…シスターとして祈り、そして活動をしてきた。所属する純心聖母会の活動は教育や福祉の仕事に従事すること。教育現場を退いた現在は、修道院の勤めの傍ら絵画制作などに時間をあてている。シスターになり今年で50年。「神様に守られているのかもしれませんね」と感謝する。
○…美術の教員時代、首から下の感覚を失ってしまった重度の障害のある学生と出会った。口にペンをくわえパソコンを操作する彼女に絵画を教えた。「口で描いた」その花は「あまりにも美しかった」という。「自分もがんばっている。みんなもがんばってほしい」。そんな彼女の思いを言葉にしたいと詩を書き始めた。あれから約10年、ようやく形になった。「出会う人が安らぎを得られれば」と願う。
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