2月に港区で行われたアジアオープンダンス選手権ブラインド部門で優勝した 西 梨沙さん みなみ野在住 38歳
外からは見えない情熱
○…ダンスを始めたきっかけは、まだ見えていたころ芸能人が社交ダンスをするテレビ番組を見て「憧れたから」。それから6年、業界内で最も大きな大会「アジアオープンダンス選手権大会」の「チャチャチャ」で優勝。八王子視覚障害者福祉協会の宮川純理事長は「彼女以外のファイナリストは60歳以上ばかり。若さもあり、ブラインドダンス界のカリスマになってくれる」と期待を寄せる。
○…目の病気が見つかったのは5歳のとき。小学生の頃には黒板の文字や教科書を読むために特別なメガネを使っていた。「めずらしがられて嫌だなと思うことはあった」。しかし、子どもは順応が早く「すぐに特別扱いされなくなった」。ノートを貸してくれたり、見えないことを教えてくれたりと「友達に恵まれた」。
○…高校まで一般の学校に通い、卒業後は茨城県にある視覚と聴覚の障害者だけが入れる大学を卒業し、理学療法士として病院で働いた。しかし、徐々に視力が落ちてきたことから、大学に入り直してマッサージ師の資格を取得。現在は週に3回ほど訪問マッサージで働いている。大学で出会った夫と二人暮らし。おしゃれが好きで「見えていたころはファッション誌をよく見ていた」。誰かに聞いて色を覚えておいて、組み合わせを考えるのが好きだ。
○…幼少のころ「自分一人でも暮らせるように」と母親から仕込まれた料理は、当時は嫌々だったが得意に。これまでずっと「人の2、3倍努力しないと勉強についていかれない」と自分を励ましてきた。周囲からは「いい意味で頑固」「ダンスも納得するまで練習し続ける」と言われる努力家。内に秘めた情熱で、成長の階段を駆け上がっていく。
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