令和元年東日本台風による南浅川の増水で流失していた歩行者用の橋「睦橋(むつみばし)」が復旧し、4月1日に開通した。当日は午後1時の供用開始を前に、長房台自治会をはじめ地元住民や八王子市職員らが現地に集結。完成したばかりの橋を渡った。これまで対岸へ渡るのに、上流や下流の橋に迂回を余儀なくされていた利用者にとって、待望の新設橋となった。
一級河川の南浅川に架かる睦橋は、1986年にできた長さ33メートル、幅1・5メートルの橋。主に南浅川北側からJR西八王子駅方面へ向かうために使われてきたほか、河川沿いの遊歩道を結ぶ散策路として長房町や千人町など近隣住民に親しまれてきた。河川の北側にある都立富士森高校の生徒や教職員の利用者も多いという。
待望の開通、歓喜
東日本台風が発生した2019年10月12日の流失以来、およそ2年半ぶりの復旧となった1日。開通と同時に、待ちかねていた住民らが次々に橋を通行していった。
長房台自治会の古見吉男会長(73)は「生活道路で学校も近く、通勤や通学にも使われている橋。ここから距離がある五月橋(下流の歩行者用橋)まで遠回りしないといけなかったので、本当によかった」と笑顔に。睦橋に近い同自治会は約180世帯が暮らしており、「我々にとって生活道路。高齢者にも大きな影響があったのでほっとしている」と胸をなでおろした。千人町に住み、橋を渡りに訪れた70代の女性は「毎日散歩しているから、いつ開通するのかと待ち焦がれていた。対岸のトイレへ行くのに橋があると便利なのでよかった」と思いを語った。
工期は1年弱
睦橋の復旧は被害の翌月11月から、予備設計と詳細設計を経て昨年5月に着工。先月完工した。市道路交通部建設課の担当者は「長房町など近隣住民の皆様には、通勤通学等で非常に不便をおかけしてきたが、およそ2年5カ月ぶりに開通となった。この睦橋が遊歩道を結ぶ橋として、以前のように市民に親しまれる橋になることを期待している」とコメントしている。
台風当日の降水量は、1976年開始の市の統計で過去最多となる1日あたり392・5ミリを観測。河川水位の上昇で流れが速くなり、流下物が橋脚に衝突し損傷したため、水圧で桁全体が下流に流された。
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