八幡町出身で中央大学(東中野)を昨年卒業した映画監督、塩野峻平さん(23)が手掛けた映画作品「to...」が、「池袋シネマ・ロサ」で4月30日から1週間上映される。コロナ下で感染することもなく、日常を送る「端の人」のもどかしさと希望を描いている。
普通の生活「端の人」
作品では「コロナ禍で『普通』に生活はできるが、悩みや葛藤を抱える人」を描く。進学で上京したが、大学に通えず実家に帰る新入生、オンライン面接など就職活動をしながら将来を不安に思う大学3年生、表現する場が失われる舞台役者など、3本の短編をまとめたオムニバスとなる。
塩野さんは「感染せず後遺症もなく、ニュースで注目されない『端の人』。もちろん恵まれているけど、生きにくさもある。そんな人たちを撮りたかった。ネガティブなものではなく、いつか明けるよねという前向きな作品になっている」と思いを話す。
中大で映像制作
出身は八幡町。中央大学多摩キャンパス(東中野)に通い、放送研究会で映像の制作を始めた。地元商店街や企業のプロモーション映像、自主映画を制作。一昨年、映画祭で賞を受賞するなど実績を積んできた。
一方、コロナ禍が始まったのは大学3年のとき。自宅待機でオンライン授業の日々だった。自身は「大丈夫だった」が、連絡が取れなくなった友人や地方に帰る知人など、周囲はさまざまな影響を受けていた。
制作し始めたのは昨年2月。ドラマ制作会社の内定を辞退し、監督をやろうと決心したときだった。塩野さんは「自分の名刺代わりに作品を撮りたかった」と振り返る。
クラウドファンディングで資金を集め、出演者は100人を超える応募からオーディションを実施。挿入歌を担当するアーティストはユーチューブで探し、自ら依頼した。塩野さんは「大半の人が共感するテーマだと思う。劇場に見に来てもらえれば」と願いを込める。
同作の上映は4月30日(土)から5月6日(金)。上映館は池袋シネマ・ロサ。当日1500円。
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