カレーパングランプリで最高金賞を受賞した、八王子エルシィの総料理長 嵩下(だけした) 義則さん みなみ野在住 62歳
人を喜ばせる芸術家
○…「地域の人に手軽に味わってもらおう」と始めたカレーパンが評価された。「テイクアウトという新しい料理の楽しみ方が提供できた。料理でもっと喜びや驚きを与えたい」。料理の仕上げとして、会場を暗くして炎を上げる演出をするなど「見せ方」にも工夫をこらすアイデアマンだ。「次はデザートを燃やしてみようかな」と、いたずらっぽく笑う。
○…長崎県出身。小さなころから、人を笑わせるのが得意だった。中学卒業後、料理人を目指して上京。「小学生のころ作ったチャーハンを母に褒められたのがきっかけかも」。努力と観察眼で研究を重ねた。「他の人が1時間早く職場に来るなら、自分は2時間早く」。「先輩が10人いたら、全員分の仕事の仕方を覚えてやろうと」。その上で、自分の中でさらに良いものに仕上げる。結果、32歳という若さで料理長の座に就いた。
○…実は芸術家としての顔も持つ。彫刻では二科展で3回入賞を果たしており、日本の料理人として初の快挙だ。きっかけは、宴席に花を添える飾り物の氷彫刻。こちらも全国で優秀賞などに輝いている。制作はチェーンソーで大まかな形を作り、細部はノミを使用。最近では、国の重要無形民俗文化財に指定された八王子車人形を「祝う会」で氷の彫刻を作って会場に飾り、喜ばれた。
○…調理だけではなく、客席まで料理を運ぶ取り組みにも注力。「本当は秘密なんですけど、ソースの作り方などをお話するとお客さんも喜んでくれる」。お客さんの反応が、次の料理のアイデアにつながる。父の日のイベントでは、コック帽をかぶってもらった「お父さんコック」に料理の最後の仕上げをしてもらう演出も。「エルシィをもっと面白い場所にしていきたいね」
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