足で稼ぎ、地域一丸へ

　○…薬剤師会の理事を約20年、副会長を10年務めた。この３年間は、医師会とコロナ対応に追われる日々。まだまだ予断を許さないが、５類移行は一つの区切り。２０２４年度には診療報酬、介護報酬、障害福祉サービス報酬の「トリプル改定」を迎える。変革の年を前に「国の医療計画に沿って、会としてやることをしっかり果たしていく」と方向性を示す。

　○…高校まで栃木県で暮らし、相模原市の北里大学薬学部に進学。卒業後は製薬メーカーに就職し、営業職に。大学まで野球を続けてきた「体育会系」にとって、一日中外出して医師たちとコミュニケーションを取るのが肌に合った。八王子市や町田市など、南多摩エリア５市を一人で担当していたことも。「八王子の病院の野球チームに参加していたこともありますよ」と微笑む。

　○…薬剤師界でも進む「医療ＤＸ（デジタルトランスフォーメーション）」。今年１月からは電子処方箋の運用が始まった。「まだまだ発行数は多くない」が、今後は急速に加速すると見込む。マイナカードの提示で、患者の投薬情報がわかる仕組みもあるという。情報漏洩のリスクに配慮しつつ、「投薬歴を隠そうとする患者もいる。（一元化・可視化することで）薬剤師としては適切な処方をすることができる」と期待する。

　○…北野町で「あらい薬局」として独立して約30年。子育てが一段落し、再開したゴルフが息抜きの一つだ。スコアは「90切るか切らないか。かなりよく言って」と相好を崩す。近年、医療の現場は「施設完結型」ではなく「地域完結型」に移行しつつある。多職種が患者に関わり、いかにその人らしい最期を迎えるか。「地域ぐるみでの『チーム医療』を進めていかなくてはならない」