戻る

八王子 人物風土記

公開日:2023.08.10

「八王子山の会」の会長を務める
佐野 聖文さん
大和田町在住 64歳

山に寄り添い、生涯捧げ

 ○…1959年に発足した八王子山の会。八王子市山岳連盟全7団体のうち、一番の古株だ。当時は登山ブームを追い風に、日本中に山岳会がつくられた。「昔はグループで登るのが当たり前だったからね」。現在、会員は約50人。コロナ禍を経て、主流は「集団」から「少人数」へ。楽しみ方も、ハイキングなどのライトなものから岩登りなど本格的なものまでさまざまだ。

 ○…7歳のとき、父に連れられて行った富士山が忘れられない。「人は誰しも自然回帰の気持ちがある。一度登ってしまえば、みんな山を好きになる」というのが持論だ。中学・高校は山岳部。緑に癒される心と、スリルを求める心が共存する。20代で登った山梨県瑞牆山(みずがきやま)の十一面岩では、そびえ立つ岩壁を前に、突き出た小さなボルトに手をかけ全体重を乗せる。息を呑むのと裏腹に、楽しんでいる自分がいた。就職を機に山からいっとき遠のいたが、20年ほど前から再開。八王子山の会にも入会した。

 ○…昨年、会長のバトンを受け取る。指針とするのは、「生涯いられる会」にすることだ。高齢になると体力低下やけがを理由に退会するケースもあるが、今は登らなくても過去訪れた山について皆で語る「山話会」を定期的に開催する。「年齢によって楽しみ方は変わってくるはず。いろんな面から山に親しんでほしい」と願う。

 ○…自身も年齢に合わせ、緩やかな起伏が続く長野県霧ヶ峰高原や美ヶ原高原など行き先の幅を広げる。八王子市内は高尾山を筆頭に登りやすい山が多く、登山好きが集まる場所。「高尾山に登るために、ふもと近くに越してきた人もいるほどですよ」とにっこり。明日は「山の日」。どの山に行こうか、今から思いを巡らす。

ピックアップ

すべて見る

意見広告・議会報告

すべて見る

八王子 人物風土記の新着記事

八王子 人物風土記の記事を検索

コラム

コラム一覧

求人特集

  • LINE
  • X
  • Facebook
  • youtube
  • RSS