高尾梅郷協会の会長で第45回高尾梅郷梅まつりの実行委員長も務める 山口 義夫さん 城山手在住 73歳
60年の歩み 梅は先人の夢
○...毎年3月に行われる⾼尾梅郷梅まつり。斜面に約700本の梅の木が広がる裏高尾町の木下沢(こげさわ)梅林など、8つの梅林を総じて「高尾梅郷」と呼ぶ。約60年前、地元の複数の町会が「梅で地域おこしを」と梅の植樹を行い、八王子の一大梅郷に育て上げた。同まつりキャッチコピーにある「先人の夢を繋ぐ」は、幾人もの人間が手をかけてきた自然財産の継承を意味する。
○...⾼尾梅郷梅まつり実行委員会こと、高尾梅郷協会の会長になったのは昨年。3年間の会計係を経ての抜擢だ。元々都内に住んでいたが、「自然の豊かさに引き寄せられて」7年前に八王子に。「地元出身じゃない自分に務まるのか」と不安を覚えたが、「『今年もきれいだったね』と去る人を見るとうれしくなる。最高だね」とニヤリと笑う。
○...梅まつりや一部の梅林の特別開園を前に、予想外の降雪が襲った。「去年も降ったが、ここまでひどくはなかった」。雪の重みで枝が割れ、折れた枝が園路をはばむ事態に。実行委員の面々で、市と協力してすぐに枝の除去や剪定作業に着手。園路を復旧させ、例年通り間近で梅を楽しめるよう、45回目となる梅まつりを万全な状態で迎える。
○...住まいのある城山手の自治会長でもある。「歳を取ると隣の家に行くのもしんどい」と回覧板としてLINEを取り入れ、操作に不安のある住民には講習会も開く行動派だ。広大な梅郷をもっと知ってもらいたいと、地元の施設・学校に通う高齢者や学生を梅林に招く構想も抱いている。二足の草鞋も「好きだからやっているだけ」と明朗な返し。梅まつり本番はもうすぐ。60年の歴史を繋げるため、縁の下の力持ちは準備に奔走する。
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