設立10周年を迎えた「八王子ナポリタン倶楽部」の会長を務める 中野 太郎さん 弍分方町在住 44歳
「一貫性の無さ」を楽しむ
○…八王子ナポリタンを初めて知った時、「熱々のナポリタンに冷たい刻み玉ねぎを乗せるの?」と驚いた。子安町でイタリアンレストラン「キッチンロッコ」を営むシェフとしては当然の反応だ。驚きつつも、どうやったらたくさんの人にこのご当地グルメを知ってもらえるか、倶楽部の一員として試行錯誤してきた。会長に就任して5年目。倶楽部は今年で10周年だ。
○…倶楽部が設立した翌年、地元・八王子でロッコを開業した。地域おこしメニューとして有志の商店主らがはちナポを誕生させたことは知っていたが、新参者として「様子見」していたところ、いつの間にかはちナポ店を巡るスタンプラリーの参加店に。裏メニューとしてひそかに出していたナポリタンを、急いではちナポ仕様に仕立てた。予期せぬスタートではあったが、頼まれたら断れない性分。倶楽部の活動に本腰を入れることになる。
○…調理師学校の元教員で、ロッコの現在のスタッフは、教員時代の教え子だ。倶楽部の運営や料理の経営など、「自分が楽しんでいる姿勢を見せれば、次の世代も楽しんで受け継いでくれるのでは」と展望する。また、「料理人以外の世界も知ってほしい」と別の仕事との二足の草鞋を推奨。スタッフはカメラマンやバーテンダーなどの顔を持つ。
○…八王子ナポリタンとして認証する条件は、あえてゆるくしている。「一貫性がないかもしれないが、だからこそいろんな個性が生まれる」。自身の店もイタリアン風にアレンジしているし、クレープやオムライス風などバラエティに富んでいる。10周年の節目に、はちナポソースの開発や初の野外イベントを実施。第2章の幕開けを、会員らと共に走り出す。
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