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大和 人物風土記

公開日:2012.09.21

大和エコ布ぞうりの会を主宰する
鈴木 澄子さん
福田在住 71歳

「本当の豊かさ」後世へ



 ○…着なくなったTシャツや浴衣など、いらない布を再利用して作る「布ぞうり」を教え続けて15年。50人を超える生徒と一緒に作り上げた約500点を展示する会を、グリーンアップセンターで23日まで行っている。他にも傘を使ったエコバッグやトウモロコシの皮を使った小物など、普段なら捨てられてしまう物のリメイク作品も。「節約って、実は心を豊かにしてくれるんですよ」と微笑む。



 ○…宮城県出身。結婚を機に神奈川に移り、大和市に40年以上暮らす。地元の福田にゴミの最終処分場建設案が出されたのを機に、大和市が抱えるゴミ問題の実情を知った。身近な環境問題を調べるうちに出会ったのが『エコ布ぞうり』。「大和市のゴミの大半は紙と布。再利用できれば削減につながる」とすぐに勉強を開始。作成技術を取得すると、いつしか噂となり市内外からひっぱりだこになった。1997年には会を結成。今もグリーンアップセンター、鶴間コミセンで4つの講座を受け持っている。



 ○…大学時代に知り合ったご主人とは、2年間の遠距離恋愛を経て結婚した。メールも無い時代、その間のやり取りは手紙だったという。「その全てが宝物。これだけは捨てるに捨てられなくて」と語る。そんなご主人が昨年、72歳の若さで帰らぬ人となった。しばらくの間は笑うことが出来ないほど喪失感を味わったという。「ただね、独立した3人の子ども達や、教室の生徒さんが毎日励ましてくれて立ち直れた。私は本当に人に恵まれています」



 ○…「小さいことでも結集すれば大きな力になる」、それがモットー。買い物にはエコバッグを持参し、野菜や果物の皮は乾燥させてから捨てる。とにかく始めることが大事だと、会員にも伝え続けているそうだ。「想いを伝えるにはエネルギーがいる。でも、孫やひ孫のことを考えると、いてもたってもいられないでしょ」。『エコの伝道師』の活動はまだまだ続きそうだ。

 

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