徒然想(つれづれそう) 連載 263花のお寺 常泉寺 住職・青蔭文雄
2月の暦に立春があるものの、寒さが一年で一番厳しい月です。
今月は「ふたり枕を並べてねたるに、ひとりは悪夢を見、独りは善夢を見るがごとく、同行同法として一師に同じ法文を習えども、心に随ってその益不同ない」です。
出典は、鎌倉、覚海(かくかい)『覚海法橋法語(かくかいほうきょうほうご)』。
意は「二人の人間が枕を並べて寝ているのに、一人は悪夢を見て、他の一人は善夢を見るように、友人といっしょに仏道修行をして、一人の師に同じ教えを習っても、それを受け留める者の心のあり方によっては同じでない」ということです。
この語録は自問自答の問答の中にある文言で、「同床異夢の喩」と言われています。
たとえ、同じ環境のもとで一人の師について修行していても、習う者の意識は決して同じでなく、その修行への理解の度合いは互いにまったく異なっているのです。
よく十人十色と言われますが、いかに同じ事を学ぼうとしようとも、人間はそれぞれの考え方や、その性格によって違ってくるものです。桃蹊庵主 合掌
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