大和市は、一人暮らしの高齢者の「遺贈寄付」という思いを形にするため、遺言書による委託で遺言執行者を指定するための協定を1日、県司法書士会と締結した。市によると、こうした協定を結ぶのは全国で初めて。
市は2016年度から葬儀生前契約等について一人暮らしの高齢者などを支援する事業を開始。18年6月から開始した専門のコンシェルジュへの市民からの相談件数は延べ1000件を超える。さらに市は21年7月、「大和市終活支援条例」を、22年6月に「おひとりさま支援条例」を施行するなど積極的な支援体制を整えてきた。
個人が遺言によって遺産を公的機関や団体などに寄付する「遺贈寄付」。終活への関心の高まりの中で、人生の結びに自身の財産を寄付をすることで、社会貢献したいという人がいる。こうした思いがありながらも、「一人暮らしの高齢者で、遺言を執行してくれる人がいない」「専門家を探せない」などの理由で遺贈寄付を諦めざるを得ないケースがある。こうした現状を踏まえ、市は遺言執行者の指定を市に委託することで、遺贈寄付をかなえるための協定を、県司法書士会と締結した。
遺贈寄付が可能な人は、「死後に所有する預貯金を寄付したい意思がある」「兄弟姉妹以外の相続人(親、配偶者、子、孫)がいない」「遺言の内容を執行してくれる人がいない」人。
遺言執行を委託された市は、同会を通じて遺言内容についての助言を求め、対象者の死後、同会が推薦する司法書士を指定、遺言書の内容に沿った手続きを行い、遺言の執行を進める。遺言書は公証役場や法務局に保管される。
1日に市役所で行われた協定締結式には、同会の紙谷繁昭会長と坂根隆志副会長が大木哲市長を訪問した。
大木市長は協定締結にあたり、「葬儀や納骨などの生前契約の支援に加え、遺贈寄付への支援も大切なもので、故人の思いがかなわないという事態をさけるために市として支援したかった」とあいさつした。
紙谷会長は「私たち司法書士会が活躍する機会をいただき感謝している。今後、一つでも多く遺贈寄付が実現することを祈念する」と話した。
問い合わせは、市おひとりさま政策課【電話】046・260・5622。
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