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大和 コラム

公開日:2023.02.24

徒然想 連載299
花のお寺 常泉寺 住職・青蔭文雄

 如月(きさらぎ)の今月は、諸行無常(しょぎょうむじょう)、是生滅法(ぜしょうめっぽう)、生滅滅巳(しょうめつめつい)、寂滅為楽(じゃくめついらく)です。

 出典は、インド、大乗経典、『大般涅槃経(だいはつねはんぎょう)』。

 意は、すべての現象は因縁によってつくられ、一時(ひととき)も同じ状態で存在することはない。これらの現象は、生じてやがて滅してゆく性質のものであり、生じては滅する、このような世界を離れた境地こそ安楽なもの、ということです。

 見出しの文言は、様々な経典に出ている有名なもので、「雪山偈(せつせんげ)」とも言われています。

 仏教では、この世界は造物主によって作られたものではなく、すべての有様は因縁によって作られ、一時たりとも同じ状態にとどまることはないと教え、現実世界の客観的事実を述べています。

 人間が誕生し成長して大人となり老いていき、やがて衰え死を迎える。刻一刻と変化しているのが事実であり現実です。

 釋尊は死に臨んで「あらゆる現象はうつろいゆく。なんじら怠(おこた)らず精進せよ」という言葉を残しています。

桃蹊庵主 合掌

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