大和 人物風土記
公開日:2023.05.12
第18代 大和市長に就任した
古谷田 力さん
上草柳在住 54歳
笑顔あふれる大和へ
○…市役所3階にある市長執務室や副市長室、応接室などのドアは日中、開放されるようになった。第18代の大和市長となって最初に着手したのは「開かれた市役所」を体現することだった。4月23日に投開票が行われた市長選挙で初当選し、3週間あまり。「24万市民の信託の重さを日に日に感じている。密室ではなく風通しの良い、笑顔あふれる明るい大和市をめざしたい」と穏やかな表情で語る。
○…上草柳に生まれ、大和小、大野原小学校、大和中学校、大和南高校に学んだ。「文字通りの地元生まれ、地元育ち」で、卒業後は大和市農協に入った。二十歳を過ぎると飲食業やイベント運営などに携わり、32歳でレストランバー「チャンモ」を上草柳に開業した。店名は30歳の若さで亡くなった兄の愛称だった。オーナーシェフとして「悲しみではなく、たくさんの笑顔が集う場所に」と働いた。
○…チャンモを訪れる人たちから大和の現状や課題、理想の未来像を聞くようになり「こうしたたくさんの市民の声を届けたい」と一念発起。2011年、市議選に出馬した。時を同じくして東日本大震災が起き、被災地となった岩手県陸前高田市を20回以上訪れ、支援活動を行ってきた。その過程で瀬戸内寂聴さんと出会い”己の利益を忘れ人の幸せのために生きる”という「忘己利他」の精神を学んだ。
○…「市民目線」「市民のために」をモットーに市議を3期務め、まちの声を届ける役目から、まちの声を形にする立場となった。「子どもから大人まで、立場や境遇に関わらず、すべての人が笑顔になる。そんな大和市を目指したい」。頭の中にはすでに新たな事業の構想もある。「忘己利他」を発揮する4年間が始まった。
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