神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
大和版 公開:2024年1月5日 エリアトップへ

徒然想 連載310 花のお寺 常泉寺 住職・青蔭文雄

公開:2024年1月5日

  • X
  • LINE
  • hatena

 明けましておめでとうございます。

 今年最初の月は慈徳(じとく)の高々(こうこう)たるは簣(き)の功に非ず、平寛(へいかん)と孤峻(こしゅん)、そこにありです。

 出典は室町代、夢窓疎石(むそうそせき)、偈頌(げじゅ)。

 意は、それは少しずつ積み上げていくようなものではなく、元より限りなく高い慈愛と徳があり、穏やかさと気高い峻厳さを兼ね備えている、ということです。

 これは、夢窓疎石が将軍足利尊氏に「仁山(にんざん)」という道号(僧名)を与えた時、尊氏を讃えた偈頌(詩)の前半部分です。疎石は後に「乱に因りて徳(おも)いを書す」と題する、尊氏を批判した偈頌も書いているが、ここでの賛辞は同一人物を詠んだものとは思えないほどの褒めようです。

 「簣」とは、土を運ぶための竹籠のような物で、「簣の功」とは、少しずつ土を積み上げるような弛(たゆ)まぬ努力をして培うことを言うのでしょう。つまり、尊氏の慈徳の高さは天性のものだというのです。

 後半に「この峰は衆人の仰ぐことを望まざれど、ただこれ衆人この峰を仰ぐ」と詠っている。

 建武の中興の功高く、この当時の人々の尊敬と信頼が集まっていた状況がよく理解できる。

桃蹊庵主 合掌

大和版のコラム最新6

徒然想  連載320

徒然想 連載320

花のお寺 常泉寺 住職・青蔭文雄

11月1日

徒然想  連載319

徒然想 連載319

花のお寺 常泉寺 住職・青蔭文雄

10月11日

徒然想  連載318

徒然想 連載318

花のお寺 常泉寺 住職・青蔭文雄

9月6日

徒然想  連載317

徒然想 連載317

花のお寺 常泉寺 住職・青蔭文雄

8月2日

徒然想  連載316

徒然想 連載316

花のお寺 常泉寺 住職・青蔭文雄

7月5日

徒然想  連載315

徒然想 連載315

花のお寺 常泉寺 住職・青蔭文雄

6月7日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 11月29日0:00更新

  • 11月22日0:00更新

  • 11月8日0:00更新

大和版のあっとほーむデスク一覧へ

バックナンバー最新号:2024年12月3日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

X

Facebook