10月1日付で大和市教育長に着任した 藤井 明さん 南林間在住 62歳
子どもたちの成長第一
○…中学生の時、苦手だった数学を分かりやすく教えてくれた恩師が、教育行政の舵取り役となった。10月1日の辞令交付では、古谷田市長から「大和の子どもたちのために」と激励された。これに対し「大きな責務を感じている。未来を担う世代の成長のために」と真剣な表情。執務室には、各校の校長や関係者から贈られた胡蝶蘭が並ぶ。期待と責任を背に、スタートを切った。
○…横浜市に生まれた。両親は小学校の教諭で、祖父母は幼稚園を運営する「教育一家」に育った。しかし、多忙な親の姿を見て「自分は先生にはならない」と考えていた。転機は中学生の時。バスケットボール部に入り、競技の楽しさにのめり込んだ。「顧問の先生が大きく育ててくれたと今も感謝している」。「先生のような人物になりたい」と教員の道を志すようになった。
○…大学卒業後、教員として下福田中学校へ。2年目にはバスケットボール部の顧問に就いた。バスケットコートでは細かな戦術ではなく、人生訓を説いた。「勝ち負けがすべてではない」、「自分と他者を安易に比べるな。君は君らしくそれでいい」。その後は上和田中学校でも教鞭をとり、教育委員会の指導室長や大和中学校長などを歴任した。「多くの思い出を頂いた」とこれまでを振り返る。
○…現在、家族と南林間に暮らす。自宅には段ボールが置かれ、中にはこれまで指導した生徒の作文が保管されている。「体育祭や合唱祭を振り返る課題。成長を感じさせる一文を読むと今も涙が出る」。趣味のバスケットボール観戦はしばらく封印し「これから先は、少しでも大和の教育にお返しをしていきたい」。子どもたちへの熱い思いを原動力に、再び走り出した。
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