「千本桜ライトアッププロジェクト」を立ち上げた 伊藤 祐さん 福田在住 42歳
街を盛り上げ、恩返し
○…千本桜に今年、初めて明かりが灯った。その立役者の一人が、地元飲食店の店主だった。きっかけは、店の常連たちからの何気ない一言。「桜を楽しみに来たけど、暗くて見えなかった」。すぐに「千本桜ライトアッププロジェクト」を立ち上げた。「きれいな夜桜を楽しめるようにできれば、必ず街の活性化につながる。地域をより盛り上げていきたい」と力強く語る。
○…愛知県小牧市出身。幼少のころから兄の影響で始めたサッカーに夢中だった。友達とは集まれば日が沈むまで白黒のボールを追いかけた。中学校に入学する時、父の転勤で小田原市に移住。「最初は孤独でつらい思いもした」。そんな時救ってくれたのは、サッカー部の仲間たちだった。「今でも交流のある大切な友人たち」と今も感謝を忘れない。
○…大学では高校の時の担任に憧れ、教育学を専攻した。料理が得意なこともあり、様々な飲食店でアルバイトも経験。「人に認められるのが何よりうれしかった」。これが後の転機となる。卒業を間近に控えた時、身体にしびれを感じた。病院に行くと脊髄に腫瘍があり「いつ身体が動かなくなってもおかしくない」状況だった。だが、手術とリハビリで克服。教員免許を活かして塾講師として働き出したのが、24歳のころだった。
○…飲食業界への思いを捨て切れず、2020年2月に居酒屋「千本桜 楽」をオープンした。コロナ禍の窮状に苦しみながらも常連たちに恵まれ、今年で5周年。店には、100本以上のキープボトルが並ぶ。妻と二人の子どもたちの生活を支えるため、日夜奮闘中だ。千本桜のライトアップは、「コロナ禍で苦しい時期を支えてくださったすべての人たちへの恩返し」でもある。
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