大和 コラム
公開日:2026.04.03
徒然想 連載337 花のお寺 常泉寺 住職・青蔭文雄
今月は、他人が怒ったら、気を落ち着けて、静かにしているがいい。それが愚人を制止する道だ、です。
出典は、インド、原始仏典『相応部経典(そうおうぶきょうてん)』です。
原典によると、昔、神と阿修羅が口論になった時のこと。阿修羅は「他人の怒りを制止しなかったら愚人はますます猛り狂うから、厳しく罰し、制止するのが賢者だ」と主張した。これに対して神の答えた言葉が冒頭の文言です。それに阿修羅は反論する。「堪え忍ぶことは良くない。堪え忍んでいると愚人は増長するだろう」。すると神は、「私を怖れている、と愚人が思うなら思わせておけばいい。堪え忍ぶというのは、力のない人が力のある人に堪えているのではなく、無力な人は常に堪え忍んでいる。他に方法がないのだから。そうではなくて力のある人が力のない人を堪えるのが最上の忍耐なのだ」と。
愚人を相手にしないということですが、間違った行いをしたり、すべきことを充分にしないで他人に怒られ、その上静かに、相手を無視してしまうのなら、この人間こそ無責任で愚かな者です。
一番大事な事は、自分が他人の怒りに対して冷静に対応できるだけの行いをしているか、という事です。
桃蹊庵主 合掌
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