えびなの企業史 ストッキング業界を牽引し続ける 70周年・アツギ株式会社
このコーナーでは、周年を迎える市内企業を取り上げ、これまでの歩み・思い・こだわりなどに焦点を当てます。第2回目は今年70周年となる、ストッキングメーカー「アツギ(株)」を紹介します。
市内大谷北に本社を構える、老舗ストッキング・インナーウェアメーカー『アツギ(株)』(工藤洋志代表取締役社長)。海老名で始まり今なお拠点を置く同社が”アツギ”と名付けられたのには、創業者・堀禄助氏の「世界中に知れ渡る会社にしたい」という熱い思いがある。戦後マッカーサーが降り立った地として世界中にその名を知らしめた”厚木”の名にあやかり、社名に自身の夢と決意を込めたのだ。以来常に”初”を追い求める「First One」の精神で、業界をリードし続けている。
常に”初”を目指し
創業者の堀氏(1908-1993)は、代々続く農家で県下1、2を争う屈指の蚕種製造家として知られていた堀家に婿入り。35歳の時、食料難対策として国が捕鯨を推奨していることに目を付け、強度のある絹などを使った捕鯨用ロープの製造を開始した。その4年後の1947年には同社の前身『厚木編織(株)』を設立。「今は日本人の多くが食べることで精一杯な時代だが、やがて生活に潤いや楽しみを求めるようになるだろう。食の次は衣だ。何年か先に大衆が求めるものをやろう」と、次第にシルクやナイロンを衣料品としておしゃれに使うことはできないかと考えるようになった。55年には日本初となる、脚の後ろに縫い目のないタイプの「シームレスストッキング」の製造方法を開発。その後も、ガーターベルトを使用しない現在浸透している形の「パンティストッキング」を日本で初めて生産したほか、丈夫でたるみが少なくフィット感のある世界初の「サポーティストッキング」を誕生させた。
このサポーティストッキングの構想を思い付いたのは、なんと入院中のこと。安価な輸入品に対抗しようと他社とカルテルの結成を試みるもまとまらず、心労で倒れてしまった際に新製品開発の着想を得たのだ。常に挑戦し新たな価値を求め続ける創業者の姿勢は、今に息づいている。
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