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東建座間ハイツ 『避難しない』という選択 市内初の地域避難所に

社会

公開:2020年1月1日

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覚書を交わす田中正文理事長(左)と遠藤三紀夫市長
覚書を交わす田中正文理事長(左)と遠藤三紀夫市長

 『避難しない』という選択肢もある。自宅での防災準備をしっかり行うことで、それを可能にできる。しかも200戸を超える世帯が生活するマンションが、その選択を決断した。

 東建座間ハイツ2号棟管理組合(田中正文理事長=入谷東2丁目)は12月18日、座間市と「災害時における地域避難所の登録に関する覚書」を締結した。

 この覚書は大地震などの災害時、公共施設を利用する「指定避難場所」が収容能力を超えた場合に、『地域避難所』として同ハイツ2号棟のオープンスペースなどを利用して、避難者を一時的に受け入れることを目的にしている。座間市で地域避難場所の登録は初。

 同ハイツは1980年代にかけて市の中央部に建設された6棟の住居棟と店舗棟からなるマンション群。そのうち今回覚書を締結したのは2号棟の管理組合。2号棟は14階建てで219戸が入居している。

 地域避難所に指定されたのは、ただ空き地があるからという訳ではない。なぜ、指定を受けることができたのだろうか。

 同ハイツ地域での一時避難場所は立野台小学校となっている。収容人数は約260人のため、ここへ同ハイツから避難すれば、それだけで許容量を超えてしまうことになる。「大地震が発生したとき、私たちはどうなるのだろうか」。住民たちの疑問であり、悩みだった。話し合いを進める中で決めたのは、避難所ではなく、「在宅避難」だった。その選択を可能にするには、しっかりとした準備が必要だ。

 千葉県内の多くの場所では昨年9月の台風15号により、長い間、電気のない生活を余儀なくされた。同じようなことが座間市であった場合、エレベーターが動かない14階建てのマンションで「在宅避難」は可能なのだろうか。もちろん、大地震で建物がゆがみ、部屋の中に入ることさえできないこともある。

 住民らはまず、耐震診断を受け、診断はクリアしたものの、2019年2月には耐震化工事を行った。また電源を確保するためにバルクシステム=写真下=という発電施設も昨年12月に完成した。これにより時間限定でエレベーター1機を動かすことができ、ほかに非常階段や共用部分の電灯などを使用できることとなった。またほかにも被災時の住民同士の安否確認や連絡方法などを確立させ、年月をかけて防災・減災に取り組んできた。

 このような取り組みが評価され、地域避難所に市内で初めて認定された。田中理事長も住民たちの理解・協力に感謝しながら、近隣住民や行政との調整を今後も図り、より一層、安心して暮らせるようにしたいと話していた。

 避難所ではなく、自宅で避難生活する利点はプライベートが守られる、多数の人が一緒に生活することによる病気感染の心配がないことなどがあげられる。しかし「避難しない」選択に必要なのは間違いなく、事前の準備。機材を購入するというハード面のほかに同ハイツの住民らは「生きる」「備える」「関わる」を意識しながら、実践的な訓練も行ってきた。長年の準備が「避難しない」選択を可能にした。

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