厚木市内で放置自転車が多い本厚木駅周辺。市は今年7月1日に市営中町2丁目自転車駐車場がオープンすることに伴い、駐輪場不足が解消されることから「放置自転車ゼロ戦略」を推進し、対策を強化する。
駅前の道路や歩道に放置された自転車は、子どもや高齢者、身体の不自由な人の通行を妨げ、災害時の避難や救助の障害にもなる。
市はこれまで駅周辺の道路の一部を放置禁止区域に指定。放置が確認された自転車は警告札を張った後、撤去してきた。市交通安全課によると、撤去台数は数年減少傾向にあるものの、2011年度は4400台程度になる見込みという。
駅周辺の駐輪場は市営・民営あわせて18カ所。定期と一時利用で5356台が収容可能。しかし、定期駐輪場待ちは約800人に上り、一時利用も平日などはほぼ100%で稼動していることから、慢性的な駐輪場不足が指摘されてきた。
一方で、駐輪場代を払いたくない人が意図的に放置禁止区域外に停め「撤去逃れ」をする自転車利用者のモラルも問題視されている。
市は放置自転車対策として総額2億2050万円を投じ、中町2丁目に立体大型駐輪場を整備。7月に供用開始する駐輪場の収容台数は定期・一時利用あわせて1535台。これで定期駐車待ちの大半が収容できることから、放置自転車の取締りを強化する方針だ。
具体策としては、7月1日から新たな禁止区域に厚木公園(はとぽっぽ公園)周辺を追加し、これまで路線で指定した禁止区域を面で指定する。また、禁止区域外に放置されている自転車を必要に応じて速やかに撤去できるように条例施行規則の一部を改正し、7月1日に施行する。さらに、私有地と公共の場所にまたがった状態で停められている自転車を新たに撤去対象にする。
同課は「景観上も見苦しく、通行人にとっても危険な放置自転車を一掃させたい」と話している。
市は今後、現在無料の自転車撤去後の引取りの有料化も検討している。
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