♯みゅーじっくコラム♭ 音楽の森 ピアニスト 倉本 卓
早いもので今年も残りわずかとなりました。日本の年末と言えばベートーヴェンの「第九」。全国のあちらこちらで演奏されます。 日本での初演はおよそ100年前の1918年、徳島県においてドイツ兵捕虜によって演奏されたそうです。面白いことに、第九はベートーヴェン縁のウィーンやドイツではあまり演奏されません。大事な祝典やイベントなどで時々演奏されるくらいです。そんな第九が何故日本でこれほど根付いたのでしょうか。太平洋戦争での戦況が悪化し、学生も兵隊として戦地へ送られる際、この第九の4楽章を演奏し、終戦後、生き延びた人々が戦死した仲間を追悼するために再度演奏したそうです。その後社会は大きく変わり、オーケストラ資金を稼ぐために年末に演奏するようになり定着していったと言われています。
私もここ数年、勤めている大学関係の第九演奏会に携わっていますが、アマチュア合唱団の方々の熱心なこと!もう何十年と歌い続けているという方もいらっしゃり、第九に対しての情熱がひしひしと伝わってきます。プロアマ関係なく、その情熱のこもった演奏には圧巻です。
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4月19日