東京農業大学厚木キャンパス内の植物園を管理して20年になる 伊藤健(つよし)さん 植物園技術職員 62歳
自然愛し植物に生きる
○…長野県の生まれ。東京農業大学造園学科に進学。大学4年間、唱歌「夏の思い出」で有名な尾瀬国立公園で職員補助のアルバイトをしていたときに植物の美しさに感銘を受けた。「湖、湿原、ミズバショウ。新鮮でした」。夜間は花を紹介し、自然公園の楽しみ方をレクチャーした。卒業後は、自然を相手にする仕事をしたかったと大学に残り研究に没頭、野生の植物をひたすら追ってきた。
○…植物の成長過程を一般の人にも見てもらおうと農大厚木キャンパスの育苗温室を公開しているのは意外に知られていない。約20年間、技術職員として植物園の管理にあたっている。1月下旬にかけてはラン、ウメ、ロウバイ、マンサクなどが咲き始める。「植物は動かないですが、植物体自体は花や実をつけたりしてものすごく動いています」と太くのびやかな声でゆっくりと話す。「一年でわずか2日間しか咲かない植物もあり、一回見過ごすと一年待たなければいけない」。だからこそ、長い目で日々の変化に注意して根気強く観察していく必要がある。
○…植物ひとすじ40年。植物園の写真も自ら撮影。撮影した写真は記事とともに学内に掲示し、ブログにアップする。自然を楽しむ人が増えたらとの思いで、2010年から書きためた記事は1600を超え、平均一日500人、20日で1万人が訪れるまでになった。「継続は力なり。日常の当たり前の中に感動があります」。いつかブログの内容をまとめ、一冊の本にすることが当面の目標だ。
○…学生には週に1回ほど植物の管理方法などを教えている。学生からは植物の見方が分かったと信頼も厚い。毎年1回は東南アジアを中心に遠征。時間があれば花屋に行き、夏山で野生植物を観察する。現在一人暮らし。「悠々自適です。植物には時期がありますので何回か足を運んで下さい。ご案内しますよ」。飾らない穏やかな人柄が印象的。伊勢原市東成瀬在住。
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