中小事業主・起業をめざす人へ 第8話 組織を機能させる『人事ニアリング®』の薦め あつぎみらい21 中小企業診断士 東 新
「機能しない組織は社会的害悪」という言葉は多くの方がお聞きになったことがあると思います。
赤字経営を続け挙句の果てには倒産して社員を解雇したり、不良品や粗悪品を販売して消費者に害を与えたり、その様な企業(組織)は”社会的害悪”と言えます。
企業の役割には、市場のニーズに応えて必要なものを提供すること、従業員並びにその家族の生計の支えになること、利益を還元して社会に貢献すること、そして企業そのものが存続することがあります。
その為には(適正な)利益を上げることが必要です。社会的な貢献をしつつ利益を上げていくことが組織を機能させると言えるのですが更に突き詰めると”人を機能させる”ことが大事であるところに行き着きます。
如何にその人の持っている能力を引き出し高めるかが人を機能させ、ひいては組織を機能させることになるのですが、最近は利益を出すことにばかりに目が行って、人に対する配慮が疎かになっているが故の出来事が多くなってきたように思えます。
企業は、適材適所、人材教育、勤労意欲の向上、適正な人事評価、自己研さん、倫理観の養成など、いろいろな手だてを講じているはずですが、どれだけ機能しているでしょうか。
これは、企業の存続にかかわる問題でありますので、経営者はもっと人を機能させることに注目して努力すべきと私は思っています。
では、個々の人を機能させるためには何をすればよいのでしょうか。
私は、”相手の立場に立って考えること””相手(上司は部下)のやり易い環境を整えてあげること”そして”率先して取り組む姿勢を引き出すこと”が重要なことと思います。組織を機能させる効果的な名言は幾つかありますが、私はいつも次の三つを取り上げています。
一、「やって見せ、言って聞かせて、させてみて、誉めてやらねば人は動かじ」
連合艦隊司令長官 山本 五十六
二、「国が何をしてくれるかではなく、国のために何ができるかを考えよう(Ask not what your country can do for you, ask what you can do for your country)」米国第35代大統領 ジョン・F・ケネディ
三、「小さな政府と国民の自立」元英国首相マーガレット・サッチャー
それぞれ、やる気を起こさせ、自立心を持たせる名言で企業の現場にも通用するものです。
また、経営学の偉人P・F・ドラッカーは、著書「現代の経営」の中で「人的資源に対する動機付けは、今日のマネジメントが直面する喫緊の課題」と言っております。
そこで、組織のリーダーに必要なことは、先ず己に厳しく模範を示す姿勢がなくてはなりません。
そして、人を機能させるための手段も持っていなければなりませんが、働きやすい環境を作るためには、仕事の前後・人間関係の上下・取引の左右の関係をコーディネート(調整)する能力が求められます。
また、社員の意見を聞き社員同士のコミュニケーションを活発にさせてアイデアを出させることも大事です。更に、社内だけではなく対外的なPRを行ったり、顧客が満足する体制を整えて活動を継続していく必要があります。
私はこのように、人を機能させ組織を機能させることを『人事ニアリング』と名付けました。
「人事」と「エンジニアリング」を併せた造語ですが、人の能力を最大限引き出して組織を機能させるための概念です。
また、この人事ニアリングを率先して行うリーダーや、企業の管理部門のスタッフは、『人事ニア』でなければなりません。
私は、具体的な人事ニアリングの手法として次の三つをお薦めしています。
1.コーディネーション(仕事の前後・上下・左右を調整すること)
2.ブレーンストーミング(自由闊達に意見を述べ合ってアイデアを出すこと)
3.サービス・マーケティング(経営・社員・顧客夫々の間でのマーケティング活動)
これら三つの手法を使って、機能する組織を築いて頂きたいと思います。特に経営者の皆様には、己に厳しく、人を見る目を養い、人を機能させる力を持った「名伯楽」になって頂きたいと思います。
注/『人事ニアリング(R)』は著者の商標登録です。
筆者/東 新(中小企業診断士)※あつぎみらい21コラム「経営講座」より
☆このコーナーは中小企業診断士を中心に、県央地域の振興のために活動している団体「NPOあつぎみらい21」の協力による連載です。
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4月19日