厚木・愛川・清川版 掲載号:2018年1月19日号 エリアトップへ

救急車の適正利用や民間救急サービスの普及に尽力している 森 義信さん 中荻野在住 55歳

掲載号:2018年1月19日号

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義理人情が命を救う

 ○…厚木市消防本部の救急隊長として務めていた時のこと。老老介護の夫婦宅に救急車で駆け付けた。「いけないとわかっていたのですが」と話す小柄な妻が、寝たきりで体格の良い夫を病院に連れて行くのは余りに困難だった。「では、私たちはどうすれば」と絞り出すような一言が忘れられなかった。「自分にできることがあるのではないか」。2人の子どもが高校を卒業したのを機に退職し、46歳で民間の救急・介護タクシー会社・(株)ふたばらいふを立ち上げた。

 ○…中荻野で生まれ育った厚木っ子。早くに両親を病気で亡くし、近所に住む親戚が面倒を見てくれた。「辛かったのか、あまり記憶がない。でも自由だったからよかったのかな」とつぶやく。高校卒業目前で見つけた消防士の募集。水難救助のために船舶や潜水士などの資格も取得し、さまざまな部署を経験した。救急救命東京研修所に通い救急救命士に。退職を決めた時には「思いとどまっては」と上司や部下、市内外の病院スタッフなど多くの人に止められたが、志を実現すべく、新世界へ飛び込んだ。

 ○…中学から野球に打ち込み、厚木北高校では仲間を集め野球部を立ち上げた。グラウンドもなく、借りられる所を探し整地から始めたのは良い思い出。3年時に最初で最後の甲子園予選に出場し、1勝をあげた盟友や監督とは今も杯を交わす仲だ。消防時代も野球を続け、今も大会などに救命士として関わっている。

 ○…経営のイロハもわからずに始めた事業だったが、会社設立翌年には居宅介護を、翌々年には訪問看護も始めた。「当初はボーナスも出せず苦労をかけた。志が高く優秀なスタッフや、まわりの人たちに助けられている」と感謝の気持ちを忘れない。今や同社では約30人が働くほどに。目指すは”向こう三軒両隣”。最近では困っている人を見て見ぬふりをする人も少なくない。「義理人情を大切に。助け合う気持ちが命を救う」

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