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厚木・愛川・清川 人物風土記

公開日:2019.02.01

1月に開館したあつぎ郷土博物館の館長を務める
大野 一郎さん
58歳

「興味を見つける場所に」

 ○…「多くの人に来てもらいたい。そして、郷土を知って、好きになってもらえたら嬉しい」。昨年3月で閉館した郷土資料館は「目的がないと行かない場所だった」と振り返るが、新しくできた博物館は「目的がなくても来れる場所。用がなくても来てみたら発見がある。そんな場所ができた」とにっこり。「歴史を知らなくても、ピクニックがてらでもいい。来てくれて、博物館との接点を見つけてほしい」と話に熱が入る。

 ○…大学で民俗学を専攻したのが、学芸員のルーツ。学生時代に初めてフィールドワークをした三重県の村で、二重墓制について調査した。「お参りするためのお墓と、埋めるためのお墓。火葬が行われるようになり、それが一つになっていく。そんなのを考えるのが面白くて」。博物館でも担当は民俗学。展示されている相模人形芝居や灯りの道具展示などは、館長の思い入れのあるコーナーの一つだ。

 ○…生まれも育ちも池袋。大学院まで民俗学を学んだが、その道の就職は難しく、一度は組合の広報誌の編集の仕事に就いた。「取材して記事にするというのが、調査して論文にするのと似ていると思って」。そして、その数年後に、厚木市の学芸員募集に応募。念願叶って、98年の郷土資料館の開館から学芸員として勤めている。

 ○…何回でも足を運んでもらえるよう、博物館では一般的な「常設展示」ではなく、「基本展示」という言葉を使っている。「ずっと同じ展示をするのではなく、少しずつ変えて興味を引く内容にしていきたい」という。特に子どもたちには、「勉強でなくていい。興味を見つける場所にしてほしい」と想いを口にする。夫人と社会人の長女、大学生の長男の4人家族。伊勢原市在住。

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