市内下古沢の日蓮宗常栄山本照寺(須藤教裕(きょうゆう)住職)では地域に開かれた寺をめざし、寺の資源を活用して仏教に親しむイベントを行っている。息子の貴裕(きゆう)さんも副住職として参加。2代にわたる寺の重要な活動になっており、4月には初となる寺の竹林を利用したタケノコ掘りを実施した。
同寺の「地域に開かれた寺」をめざした活動は、住職を務める須藤教裕さん(60)が地域住民に、仏教に親しんでもらおうと20年以上前から続く「一泊お山しゅぎょう」をはじめたのがきっかけ。
毎夏、小中学生を対象に行っている「一泊お山しゅぎょう」は読経やウォークラリーなどを通して、自分のためは人のためにもなる「自利利他」の精神を学ぶなど、仏教に親しむ内容。近年では定員いっぱいになるほどの人気イベントだ。他にも除夜の鐘突きや、境内のライトアップなど、さまざまな「寺に来てもらう」活動を行っている。
親子二代で
2013年には息子の貴裕さん(34)がコンサルタントから僧侶に転身。16年から副住職として活動を支えている。「住職のやってきたことを広げて、気軽に参加できるイベントなどを通して、より地域に開かれた寺にしていきたい」と貴裕さん。
また若い視点とコンサルタントの経験を活かして、参加者の声を聴き、低学年向けの「お山しゅぎょうプチ」を企画するなど精力的に活動する。貴裕さんは「お坊さんは死者を弔うイメージが先行しているが、本来仏教には『人々を幸せにする』というミッションがある。身近に感じてくれたらうれしい」と話した。
4月には、副住職の発案で同寺の竹林を利用したタケノコ掘りを実施。40人超の親子が寺を訪れ親しんだ。同寺では孟宗竹が猛威を振るっており、今までは檀家が手を加えていたがかなりの労力が必要だった。そこで、山林の環境整備に繋がり、参加者も楽しめるタケノコ掘りを副住職が発案。定員を超える希望者が集まり「はじめてで苦労したが、とても楽しかった」などの声があがっていた。貴裕さんは「改良しながら続けていきたい。仏教って面白いものだと知ってもらえたら。今後も親しみやすいイベントを企画している」と話した。
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