厚木・愛川・清川 コラム
公開日:2019.06.21
♯みゅーじっくコラム♭
音楽の森
ピアニスト 倉本 卓(厚木市長谷在住)
フリードリヒ・グルダ、パウル・バドゥラースコダと共に、ウィーン3羽烏(がらす)と言われた世界的ピアニスト、イェルク・デームス氏が4月16日ウィーンで亡くなりました。御年90歳。生涯現役ピアニストとしてご活躍されました。エリザベート・シュバルツコップフやディートリヒ・フィッシャーディースカウなどの名歌手の伴奏者としても有名でした。親日家で毎年来日公演を開いていました。昨年秋も紀尾井ホールでリサイタルをされ、まだまだお元気だと安心していましたので、突然の訃報に大変驚きました。
デームス先生は若いピアニスト達のような超絶的なテクニックはありませんでしたが、「音楽的なテクニック」を持っていました。「匂い」のする演奏でした。かつて私が先生に師事したスパルタで恐ろしいレッスン内容は極めて濃く、リズム、ニュアンス、間の取り方など、古き良き時代のウィーンの音楽を、デームス先生を通して沢山吸収できたことは私の最高の財産になっています。
謹んでご冥福をお祈りいたします。
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