厚木市内には国指定重要無形民俗文化財の相模人形芝居長谷座、同林座をはじめ郷土に伝わる民俗芸能を継承している団体がある。しかし、いずれもメンバーの高齢化等により慢性的な後継者不足が続いているという。相模人形芝居を中心に現状と対策、取組みを取材した。
「現在メンバーは、登録上は20人。そのうち活動できているのは10人」と話すのは、相模人形芝居長谷座の井上真弓副座長。林座の葉山修次座長も「現メンバーは13人」と言う。大阪の文楽と同じく義太夫節に合わせて、1体の人形を3人で操る同芝居。座員不足の一番の影響は、公演等の際に各座とも多くの演目があるものの、登場人物(人形)が多いものは対応できず、できる演目が限られてしまうことだと二人とも口をそろえる。
両団体も対策として、「とにかくより多くの方に知ってもらい、興味を持っていただくこと」を目指し、公民館等の施設のほか、大学や小・中学校、高校、保育所、幼稚園などでの普及公演や出前講座などを続けている。また、各団体が一堂に集い芸能を披露する郷土芸能まつりも同市文化会館で毎年開催している(今年は10月27日)。
郷土芸能学校で養成
市も協力体制をとる。文化財保護課によると、各団体の活動に補助金を出しているほか、相模人形芝居継承者養成を目的とした郷土芸能学校事業を両団体と連携し展開。2004年度から08年度まで実施された同事業受講者から5年で長谷座に10人、林座に7人が入団。その後14・15年度にも実施され、林座に5人、長谷座に3人が入るなど成果を上げており、来年度の同事業も期待がかかる。また、長谷座は同市内の松蔭大学で出前講座や学園祭での公演を通し交流。今年卒業生が2人入団するなど、明るいニュースもある。
新たな融合に挑む
さらに新たなチャレンジとして、相模人形芝居などの伝統芸能とジャズをはじめとする現代音楽が共演する「新統合伝統芸能芸術祭『ez(イージー)』」が、市民協働提案事業として昨年度スタート。長谷座と林座、ジャズバンド「早川トリオ」などが中心となり昨年、ジャズと人形浄瑠璃の融合、ビッグバンドと相模ささら踊りとのコラボレーションが実現したコンサートが開かれ、多くの観衆を集めた(今年度も予定)。井上さん・葉山さんともに言う。「客層を広げ、様々な人の目に触れる機会を増やしたい。一度観たらきっと素晴らしさに気付いてもらえるはずだから」
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