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厚木・愛川・清川 コラム

公開日:2019.11.22

♯みゅーじっくコラム♭
音楽の森
ピアニスト 倉本 卓(厚木市長谷在住)

  • 倉本 卓さん

 9月25日に、ピアニスト、パウル・バドゥラ=スコダが亡くなりました。今年4月16日には私の師イェルク・デームスが亡くなったばかり。盟友デームスを追いかけるようにして亡くなりました。ウィーンの三羽烏と言われたデームス、スコダ、グルダ3人は皆亡くなってしまいました(フリードリヒ・グルダは、2000年に69歳で既に死去しています)。私がかつて留学したばかりの90年代は、ウィーン国立音大の教授をされていて、日本人の私にも廊下ですれ違うと挨拶をしてくださいました。大学では東洋人への差別が厳しい先生もいましたので、気さくなスコダの人柄を良く覚えています。デームスが90歳、スコダが91歳、お二人とも生涯現役で大往生だったと思いますが、貴重な古き良き時代の味のあるピアニストがいなくなってしまいました。伝説の指揮者フルトヴェングラーとモーツァルトのピアノコンチェルトを共演している、スコダ1952年のライヴ録音があります。音楽が瑞々しく、優しさに満ち溢れています。ネットでは、今年5月にウィーンの楽友協会で行われた最後のリサイタルが視聴できます。90代とは思えない情熱溢れる力強い演奏でした。

 

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