あゆを中間育成する施設・厚木あゆ種苗センター(厚木市三田1928)の水槽増設工事がこのほど完了した。これにより、あゆの生産量がこれまでの年間約3tから8tにまで増える。11月27日には完工式が行われ、多くの来賓が訪れ施設の完成を祝った。
厚木あゆ種苗センターは、稚アユの放流や育成事業などを行う神奈川県内水面漁業協同組合連合会(山口芳郎代表理事会長)が、2016年に市内の第二漁業協同組合から受け継いだ。しかし、12基あった水槽のうち、6基は築60年ほどが経過し、漏水などの老朽化で使用できず、17年末に解体。昨年から増設工事が行われていた。
これまでは、6基が稼働していなかったこともあり、和歌山県や徳島県などから稚魚を購入して育成していた。しかし、安定供給ができないことや、輸送によるコスト高が懸念されていた。新たな水槽が完成したことで、これらの問題点が解消されるとともに、魚病のリスク軽減、漁獲量の向上が見込め、観光振興にも期待が集まる。
新たに完成した水槽は、11×11m(150㎥)の飼育水槽4基、8×8m(65㎥)の同水槽2基、4×4m(20㎥)の選別水槽2基。事業費は全体で約1億4000万円。そのうち約7000万円は農林水産省の「浜の活力再生プラン」を活用し、県が約2300万円を賄う。さらに、厚木市、愛川町、清川村、相模原市、平塚市、海老名市、座間市、寒川町の8市町村が漁業協同組合員数の比率で1400万円を出資し、残りは内水面漁連が負担した。
「誇りに思う」
11月27日に行われた完工式には、相模川・中津川水産業再生委員会の会長を務める小林常良厚木市長をはじめ、県や関係自治体、漁業関係者が集まった。小林市長は冒頭で「この施設は相模川を生かすことができる生命線だと思う。厚木にアユはなくてはならないもの。生産量も8tになり非常に期待している」とあいさつ。続けて同会の山口代表理事会長は「この施設ができたことを誇りに思う。今後もこの施設を大事にしていき、この漁場が保たれるよう努力していきたい」と話した。完工式ではテープカット=写真下=も行われ、集まった関係者らは新しくなった水槽を見学して回った。
なお、施設の使用は来年1月からを予定している。
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