厚木・愛川・清川 人物風土記
公開日:2021.01.15
日展で2度特選を受賞するなど木版画家として活躍中の
田中 里奈さん
厚木市森の里在住 39歳
「今だからこそ見てほしい」
○…日本最大級の総合美術展『日展』で2014年・17年に特選を受賞するなど木版画家として活躍。1月4日からアミューあつぎで作品展を開催中だったが、緊急事態宣言のため施設が閉館に。作品展は、宣言解除がされれば2月7日から延長して開催される予定だ。「人間の欲により動物たちの暮らす環境が脅かされている現状に警鐘を鳴らす作品で、動物たちの目線から描いたところなどを見てほしい」と話す。制作風景等の動画は市のホームページから見られる。
○…小学生の頃から毎年年賀状は版画をしていたという。厚木南高校に進学後、たった一人で3年間美術部で活動。他でも教えており時々顔を見せる顧問について版画作品を作り続けた。進路を迷い浪人生活を送っていたとき、その恩師に勧められ厚展に出品し入賞。それがきっかけでこの道一本で進むことを決めた。「版画は紙を上げるまで成功か失敗かわからない。そのワクワクがたまらない」といたずらっぽく笑う。当初はテーマを持たず、構図や線を生かした作品を作っていたが、30歳を過ぎた頃からドキュメンタリーなどの動物番組をよく見ていたことから、取り入れるようになったという。
○…横浜市で生まれ、中学生の頃に今も住む森の里に。現在は両親と3人暮らし。「両親は安定しない仕事に不安だと思うが、反対せずにやらせてもらえた。本当にありがたい」と感謝の言葉。
○…今後は人間や命といったものをテーマにした作品に取り組みたいという。「日本ではコロナ禍で芸術どころではないと言われると思うが、こういう時こそ芸術を楽しむ余裕のあるような国になってもらいたい。芸術の価値を上げたい。しばらくしたら個展も開催したい」。夢は膨らむ。
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