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厚木・愛川・清川 人物風土記

公開日:2021.05.28

精神障害と向き合いながら画家として3回目の個展を開催した
和田 充弘さん
厚木市恩名在住 50歳

心伝わるアートを紡ぐ

 ○…精神障害と向き合いながら宿った「絵を仕事にできたら」という夢を実現。5月11日まで、アミューあつぎのアートギャラリーで3回目となる個展を開催した。周囲の人は親しみを込めて“わっさん”と呼ぶ。「私の個展に多くの人に足を運んでいただき、絵の感想を言ってもらえるのがとてもうれしい」と穏やかに話す表情からは優しさが滲み出る。

 ○…社会人として働いていた35歳のときに発症し退職。治療を続けながら幼少の頃好きだった絵をふと描き始めた。居場所を探してたどり着いた厚木市戸室にある就労継続支援A型作業所のレストラン「モン・レーヴわたしの夢」に来店し絵を描く日々。すると黙々と描き続ける姿と絵にスタッフの心が動き、同じ運営母体の地域密着型特別養護老人ホーム「きみどり」に作品を飾ることに。同施設のサポートを受け画家として活動が始まった。「多くの方の支えがあり夢が叶った」と感謝の言葉を口にする。

 ○…母親が数年前に他界し、現在は父親と二人暮らし。互いに栄養に気を遣ったりしながら食事は一緒に摂るという。「父親がそばにいてくれることがとてもありがたい」としみじみ。絵で何か迷った時は感想を聴いて参考にする。今も薬で調整しつつ、「生活に支障なく、絵に集中できている」と笑顔を見せる。

 ○…これまで絵葉書から大きいサイズの絵と変化してきたように新しいものに挑戦したいという。「面白くないと続かない。やるからには面白いものを」。「自分にとって絵は祈り」と話し、マジックペンとクレヨンが描き出すストーリー性のあるメルヘンチックな不思議な世界は観る者を温かい気持ちに誘う。これからさらに多くの人の心を癒していくだろう。

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