新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言の発出で、多くの飲食店が休業や時短営業の要請を受けるなか、厚木市中町にある「カラオケのり子」では、休業中のママと常連客が手作りマスクを介護施設などへ寄付している。
普段であれば、14人が座れる店内のカウンター席は、ミシンと色鮮やかな生地が並び、マスク作りの作業場に。ミシンを操るのはママの伊藤紀子さん(80)で、耳紐を通すのは常連客の大崎三枝子さん(82)。「気持ちよく使って欲しい」と一枚ずつ袋詰めもする徹底ぶりで、息の合った作業で次々と仕立てていく。
マスク作りは感染症に気を付けてもらおうと、常連客向けに伊藤さんが昨年4月からスタート。活動に共感した大崎さんが生地の提供で協力し、いつしか肩を並べて作業するようになった。
コロナ禍以前は、正午の開店からカラオケ愛好家によるコミュニティの場として賑わっていたが、現在は要請に従って4月28日から休業を継続している。
伊藤さんは「終息したらどんちゃん騒ぎがしたい」としつつ、「今は我慢。細々でも皆さんの役に立てることを」と引き締めた。
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