戻る

厚木・愛川・清川 文化

公開日:2022.04.15

芸妓の休暇届など見つかる
郷土博物館の「線香台」から

  •  旅行に疲れ、御座敷を休んだらしい

  • 芸妓の名札が並ぶ線香台。表面には線香用の穴が残る

  • 戦後の芸妓の写真。祭礼で山車を先導している様子と思われる

 あつぎ郷土博物館に収蔵されている「線香台」の中から、かつて厚木地区で活躍した芸妓たちの暮らしを感じさせる史料や写真が見つかった。厚木地域の魅力にスポットを当てた地域展「家康・芸妓・ヨシゴイ」で初公開されている。

 厚木地区の芸妓は、かつては130人いたとも言われる。明治期からの生糸繭生産の活況や戦後復興、相模川の鮎にちなんだ観光振興もあり、厚木の花柳界は1950年〜60年代にピークを迎えた。この線香台は、芸妓たちのお座敷での仕事を管理するための調度品で、昔はお座敷の時間を線香で計っていた。戦後から80年代まで、当時の事務所とも言える「見番(けんばん)」に置かれ、その室内は煙が充満していたという。

 博物館では今回の展示準備のため、中を改めて調べたところ、芸妓たちの欠席届(休暇願のようなもの)が出てきた。書かれたのは終戦の頃で、休む理由として「家事」「風邪」「家の修理」「歯痛」、中には「旅行の疲れ」を理由に3人の芸妓が休みを取っている一枚もある。果たして女子会だったのだろうか。

 「お座敷だけでない芸妓の姿や息吹が伝わるようで、驚きました」と学芸員の大塚真由美さん(59)は振り返る。展示コーナーには昭和40年代のある晩、芸妓がのべ100人以上、線香423本分のお座敷を務めた記録も展示されている。

 厚木地区の地域展は6月26日まで。

ピックアップ

すべて見る

意見広告・議会報告

すべて見る

厚木・愛川・清川 ローカルニュースの新着記事

厚木・愛川・清川 ローカルニュースの記事を検索

コラム

コラム一覧

求人特集

  • LINE
  • X
  • Facebook
  • youtube
  • RSS