厚木・愛川・清川 社会
公開日:2023.07.21
厚木市議選
小数点にはワケがある
7月9日の厚木市議選で、各候補の得票数に「?」と感じた人も多いはず。1票よりも少ない小数点以下の数字。同じ姓や名の人が複数立候補した際に、誰の得票か分からない票を割り振る「あん分(按分とも書く)」の結果だ。
今回は同じ姓が重なったのは高田浩氏と高田昌慶氏、高橋知己氏、高橋豊氏、高橋伸也氏、小嶋正博氏と小嶋一哉氏、井上武氏と井上敏夫氏。仮に「高(高)田」「井上」だけしか書かれていない票の場合、公選法68条に基づき得票の割合に応じて割り振る。計算で生じた小数点4位以下は切り捨てる。
1票に満たない小数点以下であっても重みがある。2007年の厚木市議選では0・059票差で当落の明暗が分かれた。ちなみに当時僅差で当選したのが井上武氏。今回の選挙でトップ当選を果たしている。一方落選した側は「支持者のために最後まで戦う」として無効票の再確認を求める姿勢を示した。最近では4月の新宿区議選でも0・299票差で当落が決まったケースもある。
選挙ではすべての票が開いた後、あん分の計算が行われる。あん分票の数などは年度ごとに出す「選挙結果調」にまとめられる。投票用紙はその後5年間保管される。
すべての投票用紙に氏名が書かれればあん分は発生しないが、あえて姓や名だけ書く人もいる可能性もある。有権者の思いは様々だ。投票所の記載台には立候補者全員の氏名を掲示し、選管では投票用紙を渡す際「候補者名をお書き下さい」の一言を添えるという。
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