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厚木・愛川・清川 人物風土記

公開日:2023.09.22

依知小学校で朗読劇を披露した元宝塚娘役の
夏月 都さん(本名:生田夏子)
厚木市在住 39歳

心軽やかにありのまま

 ○…歌と朗読だけで、聞き手を話の世界に引き込む朗読劇。彼女が歌い出せば、そこは教室から戦後の日本の舞台へ早変わり。声を高く低く、柔らかく、時に荒げ、小学校国語教科書の名作を演じきった。子どもたちの割れんばかりの拍手に包まれ「舞台って、やっぱり楽しい」と弾ける笑顔がまぶしい。

 ○…宝塚歌劇団・月組を惜しまれつつ昨年退団し、20年以上ぶりの故郷へ。小学校5年生の時に参加した厚木市民ミュージカルで「舞台で演じる楽しさ」に目覚めた。中学生で初めて見た宝塚に心奪われ、進路を定めた。88期生・娘役として合格。「男役に憧れて牛乳をたくさん飲んだのですけど、身長が伸びなくて」と笑う。星組公演「プラハの春/LUCKY STAR!」で初舞台を踏み、以来数多くの舞台に立ってきた。

 ○…愛称は幼い頃から変わらず「なっちゃん」。その演技力と歌唱力で子役から老婆まで幅広く演じ、多くの人から愛され、月組副組長まで務めた。どの役、どの舞台も、演じれば演じるほど発見がある。昨年の地方公演を終えた時、ふと「宝塚の外の世界」に目が向いた。「私の知らない大海原がある。知らない世界へ飛び出したい。見たことがないものに出会いたい」

 ○…今、新たな世界に立ち、普通の暮らしが発見の日々。幼い頃から変わらない相模川を散歩すると心が弾み、気付けば口から音楽があふれ出る。舞台で知った輝きを、地域のために。自分の幼い頃のように、子どもたちに可能性を届けたい。これからの目標は、と問うと「言葉にすると逃げてしまうようで難しいけれど」と考えながら「いつでも自然に呼吸できること、自由な心でいられたら」と夢見るように呟いた。

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