意識改革
リスペクトトレーニングというものをご存じですか?演劇界でも昨今実施されています。以前はセクハラパワハラ講習会と言っていたものですが、その言葉自体に心遣いが足りていないだろうと反省があり、仕事場での対人関係を結ぶ際、お互いの人権人格を尊重し合うために考える時間とされています。
昨年、扉座でも「意識」を高めるために専門講師を招いてみっちりやりました。例えば、こんな事例について考えます。「扉座さんでは男女とも更衣室を設けていますか?」芝居の稽古では着替えが大事ですが、なかなか十分なスペースは確保できず、女子用のみに囲いを作り、男子はそこら辺で勝手に着替えるようなことも普通にあります。それを嫌がる男子もいないので、問題はないとされていました。
しかし、リスペクトトレーニング的には、これを見逃しません。「人の着替えを見させられる側の気持ちにも配慮しましょう」あるいは先輩男子劇団員が後輩女子を食事に誘ったとします。ただそれだけで、何なら奢ったりもして双方楽しく時を過ごした。そこに何の問題があるのかと言いたいけれど、そこもスルーされません。「誘われなかった人の気持ちにも寄り添いましょう」「そんなこと言ってたら、芝居なんか出来ねえよ!」ベテラン団員たちは声を荒げました。しかし講師は冷静にたしなめます。「その思考パターンを変えてゆきましょう」
今の時代、業界も大変です。
六月扉座新作、厚木市文化会館公演予定!詳しくは扉座公式HP