地域の子どもたちに、安価で栄養のある食事や団らんを提供する場として日本各地で始まった「子ども食堂」。(株)オギノパン(荻野時夫代表取締役/本社・相模原市緑区)では、今年7月から余剰品や規格に満たないパンを、市内4つの子ども食堂に無償で提供している。その取り組みを取材した。
「みんなよろこぶ」を企業理念に掲げるオギノパン。荻野代表は「パンという主食を活用して、みんなが笑顔になれば。人と人がつながるパンにしたい」と、その想いを語る。パンの提供は、市内の小中学校に給食のパンを卸す同社が子ども食堂の運営をサポートしようと、市へ申し出たことから始まった。
提供されるパンは大きさも種類もさまざまで、店頭に並べる規格に満たないものの品質は問題のない賞味期限内の製品。各団体が必要な個数(1箱に40〜60個)を受け取る。荻野代表は「お腹がいっぱいになれば争いは減ると思う。当社にとっても、食品ロスが減っていいこと」。“みんなよろこぶ”の企業理念に則っている。
同社がパンを提供しているのは、市の支援を受けて運営している厚木YMCA、ASHL(アシュール)、下長谷こども食堂、アジールの4団体。ASHLでは無償で提供されたパンに、ポテトサラダやチキン、卵焼きなどを挟んで振るまわれたという。
子ども食堂には、小学生はもちろん、親子や地域の人たちも集う。子どもの居場所づくりや地域交流の場としても役割を担っている。提供の申し出を受けた、子育て支援センターの有木憲二所長は「地域と連帯して子ども食堂を支援していくためには、地域の企業が手を挙げてくれて本当にありがたい」と感謝の念。
問合せは子育て支援センター【電話】046・225・2409へ。
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