神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
伊勢原版 公開:2025年6月6日 エリアトップへ

クリエイター岡本和泉さん 大山街道 描く旅路 出版社公式ブログで公開

文化

公開:2025年6月6日

  • X
  • LINE
  • hatena
道中の魅力が詰め込まれた水彩のスケッチ
道中の魅力が詰め込まれた水彩のスケッチ

 江戸時代、年間20万人が信仰と行楽のために歩いた「大山詣り」。相模国大山に鎮座する大山阿夫利神社への参詣は、庶民の暮らしに根差した文化を育んだ。この歴史ある街道を歩き、その情景をスケッチと紀行文で綴る「大山街道スケッチ紀行」を、東京都のクリエイター岡本和泉さんが出版社「風人社」の公式ブログで公開している。

 公開されているのは『ウォークマップ ホントに歩く大山街道』(風人社)などを片手に、2022年から25年にかけて実際に街道を歩き、スケッチとともに大山山頂を目指した記録。歩く道は、数ある大山道の中の「青山道」「矢倉沢往還」と呼ばれているもので、現在の国道246号のベースとなっている道だ。江戸赤坂御門を出発し、三軒茶屋〜二子・溝口〜荏田〜鶴間〜海老名〜厚木〜下糟屋〜伊勢原〜大山山頂までの約70キロを巡る。記録は、一般的なガイドブックとは異なり、街道の歴史、そこに息づく人々の暮らし、そして現代の風景が織り交ぜられ、読者は街道を歩くような感覚を味わえる内容だ。岡本さんは、かつて情報誌制作に携わった際に大山街道の一部を取材した経験がある。その際、部分的な取材では街道の全体像が掴みにくいと感じたことが、今回の全行程踏破への動機となったという。

寄り道文化楽しむ

 道中では、かつて宿場町として栄えた場所の面影を探したり、変化する地形や坂道に注目したりと、岡本さん独自の視点が随所に光る。「大山詣りの面白さは、現代のツアーの先駆けともいえる『寄り道』の文化」と、当時の人々の暮らしや街道が持つ意味を想像しながら、時には脇道にもそれながら旅を楽しんだ。月1回を基本に、1回あたり15〜20キロと行程の6倍もの距離を歩き、気になった点や驚きなどを「メモスケッチ」で瞬時に記録。帰宅後に旅を振り返りながら、スケッチを仕上げた。

 紀行の目的地である大山に到達した際、大山の麓から振り返ると、起点から歩いてきた距離を思い、深い感慨があったという。岡本さんにとってこの旅は、ライフワークの一部として「この道が私にとってどういうものになるのか」を追求する機会でもあったと話す。「このブログを通じて、より多くの人々に大山街道の新たな楽しみ方や、スケッチの魅力を伝えたい」と語る。

川崎で企画展も

 また現在、「大山街道スケッチ紀行」の前編(赤坂御門〜馬の背)の企画展が川崎市高津区の川崎市大山街道ふるさと館で6月10日(火)まで開催されている。後編(町田市〜大山阿夫利神社下社)も9月に予定されている。

岡本和泉さん(Izumi Okamoto)さまざまな「デザイン」を通して、社会や地域、環境、食、観光、ものづくり、文化などをつなぎ新たな展開をするプロデューサー&クリエイター
岡本和泉さん(Izumi Okamoto)さまざまな「デザイン」を通して、社会や地域、環境、食、観光、ものづくり、文化などをつなぎ新たな展開をするプロデューサー&クリエイター

環境事業部・食品製造事業部でSDGsに取組中

鈴木油脂は食用油脂の製造とリサイクルを通して環境保護と地域社会への貢献を目指します

https://www.suzuki-oil.co.jp

<PR>

伊勢原版のトップニュース最新6

現地決済型ふるさと納税導入

伊勢原市

現地決済型ふるさと納税導入

地域経済の活性化に期待

6月20日

大山に多言語看板寄贈

伊勢原RC

大山に多言語看板寄贈

インバウンド需要に対応

6月20日

吃音の神職、「高森まつり」開催

吃音の神職、「高森まつり」開催

文化継承と多様性を期す

6月13日

7年ぶりに復活レース

ツール・ド大山2025

7年ぶりに復活レース

県内唯一の公認ラリー

6月13日

大山街道 描く旅路

クリエイター岡本和泉さん

大山街道 描く旅路

出版社公式ブログで公開

6月6日

県内神社祭礼をWEBで

笠窪在住添田悟郎さん

県内神社祭礼をWEBで

独自取材重ね紹介

6月6日

大切な人へ、最後の「ありがとう」

「ゆかりえ」は家族の思いに寄り添う、創業38年の地元葬儀社です

https://www.fujimishikiten.co.jp/

<PR>

あっとほーむデスク

伊勢原版のあっとほーむデスク一覧へ

コラム一覧へ

伊勢原版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2025年6月20日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Facebook