三浦按針(ウィリアム・アダムス)の菩提寺「浄土寺」の住職 逸見道郎(へんみみちお)さん 逸見在住 59歳
按針の生き様を現代に
○…今、按針が注目されている―。講師を務めた多文化共生講座「青い目のサムライ三浦按針の見た世間」(横須賀国際交流協会主催・今月23日)では、会場のヴェルクよこすかに定員を上回る80人以上が詰めかけた。家康の外交顧問。逸見に領地を与えられ、横須賀とのゆかりも深い。だが「歴史上の人物というだけでなく、生き様に触れることで現在の閉塞状況を何とかするための一筋の道になるのではないでしょうか」
○…かつては日本テレビ系列の、住職が主人公のドラマ『あんちゃん』(1982年)の監修や、宗教番組『宗教の時間』でディレクターを務めるなど、テレビ制作の現場にも身を置いてきた。按針と出会ったのは横須賀市制100周年の2007年。菩提寺でもある浄土寺の住職として、按針の生涯をまとめた本を執筆したのがはじまり。その功績を知れば知るほど、「今」に通じる深い縁を感じる。
○…命を懸けた航海の末日本にたどり着いた按針には、不屈の精神力が養われたのだろうと思い描く。ここで、今の日本人を見る。按針のような強い精神力や、異国の人・文化に寛容な心があれば良いが、それらが無い人も生きやすい世の中であるべきだと考える。いつの時代も生きるのは大変。答えが無いことにも耐えなければならない。だから、「生きることそのものに意味があります。ただ生きているだけで良いんです」と眼差しは温かい。
○…職業柄もあるだろうが、言葉には重みがあり、説得力がある。一方で、別の話題では冗談も交え笑いを誘う。「週に数回、趣味で近くのプールで泳いでいます。ウォーターボウズですね」。一般的に堅いイメージのある住職とは違った、親しみやすい印象を与えてくれる。今後目指すところは、伊東市、平戸市、メッドウェイ市(按針誕生の地)など、ゆかりの地から人々が集まった「按針サミット」を開催することだ。按針に学ぶことはまだたくさんある。
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