さいか屋と下町の140年 時代の変遷、資料でたどる
大滝町の老舗デパート「さいか屋横須賀店」で創業140周年を記念した企画「ヨコスカ写真展」が開かれている。明治期の貴重な店舗写真から歴代の意匠、現存する最古の包装紙などを展示。横須賀中央エリア周辺の懐かしい街並みなども紹介している。6階美術画廊で今月16日(火)まで。
「ヨコスカ写真展」16日まで
1872年(明治5年)、横須賀市本町で「雑賀屋呉服店」として開業。今に続く「さいか屋」の歴史が始まった。軍都として栄えた横須賀の発展に足並みを合わせながら成長していった店舗は、市民から「さいか屋さん」と呼ばれて親しまれてきた。
写真展では、創業当時から昭和中期の百貨店隆盛時代までの建物の歴史を順を追って眺めることができる。1932年(昭和5年)に起きた五・一五事件に係わった青年将校の護送にさいか屋の送迎車が使われている貴重な写真もある。
意匠や包装紙デザイン、店歌の蓄音機用レコード(SP盤)、風呂敷や商品券などの資料からも時代の空気を感じることができる。
今回の企画の準備をしている際に、偶然見つかったという旧日本海軍の連合艦隊司令長官山本五十六大将の手紙も初公開。当時、横須賀市長を務めていた「さいか屋」の2代目社長岡本傳之助氏に充てたものだ。
写真展に訪れていた60代の女性は「屋上にあった飛行塔を思い出した。建物をはみ出さんばかりの勢いで回転するスリルがたまらなかった」と懐かしげだった。
創業日となる今月20日(土)には、郷土史家の山本詔一氏を講師に迎え、店舗内のラウンジで横須賀と「さいか屋」のあゆみをテーマにした講演会を行う。午後1時から。当日受付で人数制限あり。
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