横須賀市の吉田市長は13日、2015年度当初予算案を発表した。一般会計の予算規模は1459億5000万円で3年連続のプラス。前年度比1・4%増加となった。人口減少を喫緊の課題と位置づけ、「子育て・教育環境の充実」「生涯現役社会の実現」「地域経済の活性化」の3本の柱を軸に財源を重点配分した。市税収入は591億円で昨対比17億円の減少。財源不足は、財政調整基金から60億円を取り崩して充当する。
継続性重視の事業展開
今回の予算編成を「優先順位を定めたメリハリ未来投資型」と13日の記者会見で市長は説明。1年間で転出超過を約870人圧縮した現状も報告し、施策の継続実施の方針を述べた。
「子育て・教育環境の充実」では、市民サービスを向上させながら「住むまち」として選ばれるための取り組みを強化。小児医療費の無料対象を現在の小学校3年生までから6年生までに引き上げる(9300万円)。このほかに小中学生の学力が全国平均を上回ることをめざすプロジェクト(1億3162万円)、基地を抱える横須賀の特性を活かして「英語が学べる街」(696万円)を推進する。子育て世代の転入を促す「多世代同居の推進」(300万円)では、2世帯住宅の改修費を上限30万円まで助成。住宅団地の空き家バンクも開設し、物件購入や改修費を助成する(5103万)。
「生涯現役社会の実現」では、既存事業を中心に、イベントや介護予防講座の実施、「(仮称)生涯現役ガイドブック」の作成で啓発を促す(4078万円)。
「地域経済の活性化」(4億238万円)では、総額18億円と過去最大規模のプレミアム商品券を発行。還元率を20%とし、個人消費を喚起するほか、意欲のある商店街との連携で地域限定のプリペイドカード実証実験にも取り組む。IT事業者などの創業を支援し、市内進出を促す「スタートアップ支援の強化」(675万)なども拡充策として盛り込んだ。
このほか、「横須賀製鉄所創設150周年の記念事業」(1億5千万円)、「ふるさと納税の推進」(3860万円)など。
「英語が学べる街」イメージ向上の切り札
横須賀市は、ここ数年来で取組みを強化している「英語コミュニケーション環境の充実」を施策としてさらに深堀していく方針。「英語が学べる街」の発信を強め、都市間競争で優位に立つことをめざす。
すでに募集が行われている米基地内の大学への市民就学支援に加えて、新年度は市立横須賀総合高校と米基地内の高校とで短期交換留学を実施する。市内の中高生を対象に、夏休み期間中に英語だけで過ごす「YOKOSUKAイングリッシュキャンプ」や市内在住の外国人のホームステイ受入れ家庭の発掘・育成のための研修を行う。年齢に応じて適切な英語コミュニケーション環境を整備するための研究にも注力。研究会などを開催する。
こうした市の一連の方針をアピールすることで、都市イメージの向上につなげていきたい意向だ。定住促進とひもづけたPRも積極的に行っていく。
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