住居併設商業施設「ザ・タワー横須賀中央」(大滝町2丁目)の開発を主導した 石田 重藏さん 日の出町在住 62歳
希望の光放つ「灯台」に
○…横須賀中央・大滝町2丁目の再開発事業を主導した中心人物だ。昨年11月に先行して297戸の居住スペースが完成、今週末には市民待望の商業ゾーン「LIDRE(リドレ)」を全面オープンさせる。計画着手は2006年。紆余曲折を経て10年越しの事業を完遂させた。街の新シンボルのデザインコンセプトは「灯台」。衰退が危惧される中央エリアに希望の光を放つ。
○…若松町で生鮮食品・日用品店「田丸屋」を経営していた両親の影響で、物心がつく頃には売り子として店頭に立っていた。肌で伝わる客の反応に、感じたのは商売の面白さ。20歳を迎えた70年代には、当時ファッション業界で流行の兆しを見せていた「DCブランド」に目をつけ、いち早く横須賀で販売をスタートさせた。翌年、市文化会館で開いたファッションショーでは、大ホールを観客でいっぱいに。「他人と同じことを他人と同じタイミングでやっても成果は出ない」。今もブレない信条だ。
○…中央地区の再開発を先導する市公認のまちづくり会社「横須賀エリアマネージメント」も今回のビル開発と同時期に立ち上げた。背景にあるのは、若松町にある自社ビルを含め、中央周辺エリアの空きテナントが増えてきたという危機感。人通りの減少や人口流失問題の打開策として掲げるのが「医療」と「英語」の2本柱。「他地域にはない”横須賀らしさ”で勝負したい」。リドレには、複数のクリニックやバイリンガル教育を謳う保育・学童施設を誘致。頭の中の青写真を具現化させた。
○…行政も人口流失問題の解決に躍起になっているが、不動産業界では20年が1サイクルだという。「人口下降の予兆はあったはず。ここは同程度の時間をかけて解決を図るべき」。言葉通り、10年かけて子育て世代や市外からの居住者を呼び込む下準備を整えた。「壁が高いほど、乗り越えたくなる」。これも変わらない性格だ。
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