横須賀市をテーマにした「政策立案コンテスト」が今月12日に都内であり、政治の担い手などを育成する「日本政策学校」の受講生が市に提言を行った。最優秀賞に輝いたのは子どもの学習習慣を定着させるための「手帳プロジェクト」を発表したチーム。他の自治体を対象にした過去の同コンテストでは提言が政策に取り入れられている事例もあり、吉田雄人市長も今回出た案を具体的に検討していく意向を話した。
今回の企画は同校の受講生が吉田市長のホームページ作成に携わるなど、以前から交流があったことで実現したもの。
受講生らは今年6月に市へ視察に訪れており、2日間の行程で市長から市の現状の聞き取り調査や、問題となっている谷戸地域の空き家など、追浜地区を中心にフィールドワークを行った。その結果をもとに、産業・観光・子育て・医療・教育・少子高齢化の6チームに分かれて、課題を分析し、市に提言した。
地方創生加速化交付金の不採択により、凍結している「健康マイレージ事業」に付加価値をつけて実現を目指す構想や、EVタクシー、街灯LED化推進事業に絡めた「電気の街」ブランドの定着など様々な提言がなされた中、市長ら審査員の評価が最も高かったのは教育をテーマにした「子ども手帳の実践」だった。
教育で選ばれる街
同チームは全国学力・学習調査の結果から、市内の子どもたちの学力が県内平均より低いことで、ファミリー層から敬遠されやすくなることを問題視。「教育で選ばれる街」として学力の向上、そのために学習習慣の定着が必要とした。そのツールとして小学校低学年向けに横須賀発の「こども手帳」導入を提言。具体的には1週間分の予定を子ども自身が書き、終わった事柄は赤線で消していくというもの。自らの主体的な行動で達成度を管理することや書く作業を行うことで、意識づけ、「脳力」の向上があげられるとした。
手帳内には市の行事や、英語の漫画、目標達成時にスカリンのシールを貼るなど横須賀色を強め、学校とも連携してサポートティーチャーによるフォローなども提案に盛り込んだ。同チームの代表者は「全国初の事業として横須賀市にはぜひ採択してほしい」と話す。吉田市長は「具体的な事例も多く、本気度が伝わってきた」と講評。またコンペ全体を振り返り「市の各部門と連携しながら、何案かは具体的に動けるように検討していきたい」とコメントした。
同校は今年6月にも福島県の南相馬市を対象とした同コンテストを実施。その中で出された東日本大震災の記録や証言を記録として残していく「震災アーカイブ」案が市の政策に取り入れられ、現在実現に向けて動き出している段階だという。
市を代表して学生も発表
今回のコンテストでは特別枠として嘉山淳平市議の下でインターンシップ中の学生らも市を代表する形で提案する機会が設けられた。発表を行ったのは森崎在住の小林優里子さん(法政大学3年生)。
高校まで市内の学校に通っていた小林さんは大学の友人らの聞き取り調査などから横須賀には基地関係だけでない、地域ブランドの発信が必要とした。市外に知られていない自然環境の魅力に着目して、光の丘水辺公園や、平作川の源流にあたる阿部倉などでのエコツアーを提案した。
「地元に住んでいるからこそできる着眼点が光った」と発表を聞いた吉田市長。小林さんは「市外の方々の視点を学べ、市長から貴重な意見をもらい参考になった。より洗練させていきたい」と話した。
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