横須賀市教育委員会は、今月15日に行われた定例会で、小学校給食費を現状の月額4000円から4500円に値上げすることを議決した。原材料の高騰と栄養価維持が主な理由。教育総合会議での協議と市議会での審議を経て、3月に決定する見通しで、実施は4月からとなる。
給食の献立は、1食当たりの単価に基づき、栄養価を考慮して作成されている。現状の給食費は2009年に月額3300円から4000円に値上げして以降、8年間据え置き。物価の上昇や天候による野菜等の価格変動に対して、食材を変える・種類を減らすといった工夫をしてきた。デザートの提供回数も13年の24回から、昨年度は8回。「昔と比べて、食材や調理の種類も限られてきている」という。栄養価を減らして単価を維持せざるを得ない状態で、エネルギーやカルシウム、鉄・食物繊維などが、国の基準や県平均よりも下回っている。「献立の変更や工夫にも限度があり、栄養価維持も困難」として今年10月から、学校給食運営審議会で改定について議論を行っていた。
栄養価「国の基準に」
同審議会では「現状を重く受け止め、少なくとも県平均、できる限り国の基準まで栄養価を高める必要がある」として、月額500円の値上げを答申。1食あたりの単価は230円から260円に引き上げられる。ろう・養護学校の児童生徒、教職員分も同額の上げ幅で、15日に行われた教育委員会定例会で議決した。中学校については、月額700円(年額7700円)で据え置く方針。
また、給食費の不払いも懸念されるが、昨年度の収納率は99・8%と高い水準。現在は各学校で収納管理を行う「私会計」で、教員が直接、支払の督促を行っている。学校での業務負担などに課題があることから、来年度から、市が一括管理する「公会計」に移行する。値上げに伴う不払いも危惧されており、審議会委員からは「値上げ理由の周知など、保護者に丁寧な説明が必要」などの意見もあった。
今後は、市長が出席する総合教育会議(1月上旬)で協議し、同月中旬から保護者に周知。3月の市議会で予算案審議を行い、4月から施行される見通し。
県内自治体も増額検討
給食費改定は、他の自治体でも検討されている。現状で4000円前後が多く、県内19市の平均は4122円。値上げ以前の1食あたりの単価は横須賀市が最低水準だった。横浜市は「国産率の維持と多様な食材の使用、品数・和食の充実」などを掲げ、来年秋に4600円へ値上げする方向で議論が進んでいる。
|
<PR>
横須賀版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|